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売り手が語る「為事(しごと)」[柳島屋 青木商店]

2025.12.26号 湘南のお酒

難しいことは考えず、
”おいしさ„と”楽しさ„を追求する酒屋で
あり続けるのが目標。

※「為事」とは、「仕事」の語源ですが「事(つかえる)を為す」という意味から生まれた言葉。自分の意志や使命、役割を果たすための行為を指します。これは、単に会社に仕える「仕事」とは異なり、より能動的で自身の内発的な動機に基づいた「成すこと」を意味することがあります。

柳島屋 青木商店 店主 青木 智明
茅ヶ崎で百年以上続く老舗酒店。大正時代に創業し、祖母の代から受け継がれてきた。現在は、三代目店主・青木智明氏と、四代目の息子・遼太朗氏を中心に、店を切り盛りしている。日本酒を中心に、多様な品揃えと丁寧な接客が魅力で、地域に根差した町の酒店として親しまれている。

変わりゆく街中で、
守り続けた商いの軌跡

 柳島の街で、祖母が自宅を改造してタバコを売り始めたことが、青木商店の歩みの始まりだった。当時はお酒はもちろん、食料品やタバコも扱い、地域に寄り添った小さな商いをしていた。少しずつお店を大きくし、約40年前には現在の場所へ店を構え、今に至るまで歩みを続けている。
 その間、戦争やスーパーマーケットの進出、同業種店舗の増加など、商いを取り巻く環境は大きく変化し続け、決して順調な時代ばかりではなかった。先の見えない不安に直面することも少なくなかったが、それでも、変わらず足を運んでくれるお客さまの存在が、店を続ける力となった。「毎月、毎日、一日一日を頑張ればいい」という思いを胸に、家族やスタッフとともに暖簾を守り続け、101年目を迎える。
 長い歴史を背景に、三代目店主は四代目の息子や家族、スタッフと力を合わせ、地域に寄り添いながら日々の営業に取り組んでいる。店内に並ぶお酒は実際に試飲をして厳選したものばかりで、味わいや香り、飲みやすさにも目を配っている。また、今でも、昔から続く駄菓子や卵、おつまみなどを揃え、初めての方でも気軽に立ち寄れる店作りを心がけている。こうした取り組みには、家族やスタッフの細やかな気遣いと、長年培ってきた知恵が息づいており、今日も多くのお客さまが青木商店を訪れる。

人とお酒がつないでくれた、
今の青木商店のかたち

 三代目として店を営む今、青木商店が大切にしているのは、日本酒を「難しいもの」にしないこと。冷やして飲む、燗にする、食事と合わせる。決まった正解はなく、その人の好みやその日の気分、季節に合った飲み方こそがおいしい。難しいものにせず、楽しくわかりやすく、ハードルを下げることで、より多くの方に日本酒を楽しんでもらいたいという。
 その想いを形にするべく、お店に立つ上で心がけているのはコミュニケーションだ。お客さまの話に耳を傾け、会話を重ねながら一本一本を選ぶお手伝いをする。会話を通じて寄り添い、自然体でお酒を楽しんでもらうこと。それが青木商店の接客の軸となっている。
 こうした姿勢は、店内にも表れている。手書きのポップがありとあらゆるところに置かれ、お酒の味わいや産地、特徴はもちろん、時にはお酒と関係のないことまで書かれている。視覚的にも楽しく、味のイメージがしやすく、選びやすい。今の時代だからこそ、SNSだけでなく、手書きや活字媒体の温かみも大切にしているという。
 三代目は、飲食店と二人三脚で地元を盛り上げるお手伝いをさせていただくことを大切に「普通の生活のなかで日本酒を楽しむ人が一人でも増えることを願っている」と語る。そして、一本のお酒が誰かの楽しいひとときにつながること。それこそが店主にとって何よりの喜びである。


三代目店主が考える、
お酒の楽しみ方

「お酒は、いい意味で名脇役的な存在でいいと思っている」そう語る店主。お酒単体で美味しいものはもちろんあるが、やはり食べ物が主役であり、食べ物に寄り添うのがお酒の役割。しかし、それも人それぞれの嗜好による。だから、味や香りの違いを楽しみながら、自分なりの楽しみ方を見つけるのが今のお酒の楽しみ方だ。

家族と仲間とともに紡ぐ、
青木商店の温もり

青木商店を支えるのは、家族やスタッフの力。その力は三代目店主が「日本一」だと自負するほど。なかには飲食店経験者もいるからこそ、仕入れ先の気持ちを汲んだ対応ができるのも強みの一つ。スタッフ一人ひとりの生き生きとした姿こそが、青木商店の温かさの源でもある。

四代目・遼太朗氏と家族、スタッフとともに支える、地域に寄り添う酒店の日常。


柳島屋 青木商店

神奈川県茅ヶ崎市柳島海岸1284
TEL.0467-82-5243
営業時間 9:00〜19:00(日・祝〜18:00)
定休日 火曜日


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